• 2024.06.05
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SEからWebデザイナーに転職したアラフォーママワーカーのその後

こんにちは!デザイナーの高山です。
以前、入社半年経った頃に同じようなタイトルでブログを書いていました。
SEからWEBデザイナーに転職したアラフォーママワーカーの半年

あれから3年。入社から4年が経とうとしています。
まだよちよち歩いていた下の子は小学生に、上の子も私と同じくらいの身長に成長して、時の流れって早いなぁとしみじみ感じている今日この頃です。

システムエンジニアからWebデザイナーに転職して、これまでにいろいろな経験をさせていただきました。怒涛の数年間だったと思います。

恐らく、こちらのブログに辿り着いた方は、多くの方がシステムエンジニアからWebデザイナーへの転職を考えている方だと思うので、まだ道半ばではありますが、現時点で私が感じた、前職の経験が有利だったところ、人一倍頑張らなければならなかったことなどをご紹介したいと思います。

有利だったスキル


1.デザインするために必要な情報の収集・整理・設計力

実際にWebデザインの仕事を始めると、かっこいいデザインや素敵なデザインをただただ作るのが仕事ではないということを思い知りました。どんな仕事もそうですが、一番大事なのはお客様が望むサービスの提供です。

つまり、Webデザインの場合にはお客様がどんなサイトを欲しがっているか、それに近づけられるかが一番の目的となります。

そのためには、お客様がWebサイトを通して達成したい目的(ゴール)を聞き、達成するためには何が必要なのかをまず考える必要があります。転職に向けてWeb制作の流れを勉強している方や、同業の方には「何を今さら…」な当たり前のことなのかもしれませんが、実はこの作業がWeb制作の肝であり、一番大変な作業だけど、すごく地味で表に出てこない部分かなと思います。

ある程度大きな制作会社だと、情報収集から情報設計などの最初のフェーズは、Webディレクターの作業であることが多いと思いますが、弊社のような少人数の会社だと、1人で設計からデザイン作業までを任される場合もあります。その際に必要な情報の収集力や整理術、設計力は、システムエンジニアの時に培ったスキルが非常に役に立ちました。

参考になる情報や参考サイトの検索は、「困ったことがあったら検索エンジン先生に聞け!」というエンジニア時代の教えと検索スキルが活きていると思います。地味ですが、結構重要で重宝するスキルです。

お客様の目的達成のためにあるべき姿や理想の姿へ近づけるためにはどうしたら良いのか、得た情報を整理して検討していくフェーズでは、システムエンジニア時代のシステム設計に通じるものがあります。収集した情報を整理して資料にまとめる時には、Excelなどの表計算アプリのスキルが役に立ちました。新卒のデザイナーさんに比べると、このあたりのスキルはかなり強力なアドバンテージだと思います。

 

情報整理やブレインストーミングに便利な「マインドマップ」を活用!


情報を整理しつつ、お客様のことをより理解するために、「マインドマップ」を使います。マインドマップは、頭の中の情報を整理するのに、自分の持っている情報や考え、イマジネーション、疑問などを書き出して可視化していく手法です。情報をつなげて考えていくと、「だからこういうコンテンツが必要なのか!」「このコンテンツがあった方がアクセスされるのでは?」などの気づきやひらめきが湧き出てきます。先輩から教えていただいた手法ですが、じっくり考え続けるのにとてもラクでオススメです。

私が以前使っていたマインドマップツールは「xmind」、最近ではFigmaのオンラインホワイトボードツール「Figjam」のマインドマップテンプレートを愛用しています。

どちらも使い勝手が良いのですが、他にも色々なアプリがあるようなので、自分に合うものを探してみると楽しいかも。


割と、デザインしている感じが全然ない「情報との睨めっこ」が苦手な方も多いんじゃないかなと思います。システムエンジニア時代、難しい情報との睨めっこは日常茶飯事でしたし、一つのことに考えをめぐらせることも仕事の一部だったので、実はWebディレクターやデザイナーに必要な「最適を導き出すために考える」というスキル、というよりは「忍耐力」があったのかなと感じています。

デザインってわかりやすい「見た目」だけじゃなく、「目的のためにどうしたら良いか」を考えて実現していくこと全てがデザインなんですよね。

 

2.アプリやツールと比較的早く「お友達になれる」(早く慣れる)


どの業界でもそうですけど、ビジネスに関連する新しい技術やアプリケーションってどんどん増えていきますよね。若い世代はスマホのアプリをすぐ使いこなしちゃうのと同じで、エンジニア経験があると新しいアプリやツールの機能を理解するのが早いし、「ここにこの機能あるだろうな」の予測が人より精度が高く、アプリやツールに慣れるのが早い気がしてます。(個人的見解です)

それもこれも、アプリやツールの開発者の方々のUI設計が素晴らしいからというのが大前提なんですが、迷子になることが少ないし、迷子になったら前述した通り「検索エンジン先生に聞け!」の流れになって素早く目的を達成することができます。(これも個人的見解です)システムの裏側を知っているからアプリやツールの裏側の仕組みもなんとなく分かる場合もあるので、無駄のない作業につながっているような気もしています。

 

3.コーディング(実装)できちゃう


Webデザイナーになってから、Wordpressの案件もこなし、気づいたらWordpressの実装もできるようになっていました。もちろん自分で勉強した部分も大きいので、デザインの勉強しかしてこなかった方よりは前職の経験が大きなアドバンテージになっていると思います。


 言ってしまうと、デザイナーはコーディングできなくても良いのでしょうが、設計から提案、デザインにコーディングまでこなせると視野も広くなりますし、あって無駄なスキルなんて一つもないなら、一つでも多くできることがあった方が有利でしょう。

コーディングでお仕事をされているコーダーさんに比べたら、まだまだ勉強することや吸収することがたくさんありますが、実装の仕組みを知りながらデザインすることもできるので、実はあった方が良いスキルなんだと思います。最近の流行りはSTUDIOやWixなどのノーコードですが、ノーコードのサービスを使う場合でもコーディングスキルがあった方が綺麗な実装ができるのは明らかです。

 

頑張らないといけないところ


考えてみたのですが、システムエンジニアだったからここが大幅に足りない…というのはあまりありませんでした。Webデザイナーになったら前職に関わらず等しく必要だと思うのですが、あえてあげるなら…な内容です。

 

1.デザインの知識の習得


当たり前ですけど、デザイナーを名乗るならば、デザインはできないといけませんよね。


ここが、システム的な部分のアドバンテージとは真逆で、デザインを勉強してきたデザイン畑の人に並ぶためにまず苦しむ(苦しみ続ける)部分です。


転職でいうと、私はデザイン学校を出たわけではないので、募集要項でたまに見かける「デザイン学校を卒業しているか」の条件は満たさず、デザインの学校で学び直さない限り永遠に不利な部分でもあります。

デザイン学校で勉強すべきデザインの基本原則やアドビツールの基本的な使い方や活用方法はほぼ独学です。(もちろん会社の先輩、師匠からはたくさん教えていただきましたが!)良いデザインを学習するために通勤電車内ではピンタレストを見る習慣がつきました。良いデザインはなぜ良いのかを言語化してみたり、自己学習は必須です。

アイデアの引き出しもまだまだ少ないので、引き出しに知識を詰め込んでいかないと、と焦ることも。これは、私だけではなく多くのWebデザイナーさんが続けていることかと思いますが、引き出しの中身の少なさには最初はやはり大きく苦労しました。

デザインを学校で勉強してきた方にはまだまだ敵わない部分はたくさんあるのかもしれませんし、そのことについて思い悩むこともありますが、私には私のできることでお客様に喜んでもらいたいと考えています。

よく先輩から「デザインに正解はない」と教えられていますが、今ではその言葉の意味がとてもよく理解できます。デザイナーごとに十人十色の最適解があるのだということ。私なりの最適解を導き出すために私にできることを粛々とやっていくだけだな、と感じるようになりました。

 

2.専門知識の理解


1.デザインの知識の習得と似たようなことなのですが、最初はなれない言葉や知識が多かったです。これは職種に関係なく、どんな業界、会社でも同じですけどね。

有利だったスキルには情報設計力だ、なんて言ってますが、その力が発揮される前には、「ヒアリングシート」、「ワイヤーフレーム」、「サイトマップ」、「カスタマージャーニーマップ」、「ペルソナ設計」などなど、専門用語や知識を叩き込まれました。

もちろん、サイトマップなどは前職でも扱っていたのでわかりますが、Web制作の一連の流れの中でどう登場して来るものなのか、提案やプレゼンに向けてどうしていったら良いのかを最初に泣きながら勉強しました(笑)。企画・提案書も最初はボロクソに指摘されながら、泣きながら作ったのを今でも鮮明に覚えています。

そこから少しずつ、「何くそー!」と思いながらスキルアップしていき、情報設計から提案までをスムーズに進められるようになってきました。案件ごとに違いますし、案件ごとにそれなりに悩みますし、臨機応変さが求められる部分も多々ありますが、Web制作の大体の流れやコツを叩き込んでいくのがまず最初にぶつかった頑張りポイントでした。

 

【まとめ】システムエンジニアから転職したWebデザイナー、4年後の姿


 結果、私のスキル的にWebディレクター寄りの仕事が多いですし、案件によってはゴリゴリコーダーの作業をやったりと、良くも悪くも「なんでも屋」みたいになってきてるような気がします。デザインだけやることなんてほぼないです。

今となってはデザインだけ任されたとしたら、前後の工程の担当の方(ディレクターさんとコーダーさん)と連携をとっていく必要があるので、気持ちが更に引き締まりますね。自分の成長のためにも、そういう案件にも携わりたいなぁなんて思う今日この頃です。

努力の方向や任される仕事によっても違うのですが、おそらく、システムエンジニアの方は私と同じようなスキルアップをされる方が多いのではないかと思います。

今の私の現状がみなさんの理想の姿ではないのであれば、私のような「なんでも屋」にならないためにはどうしたら良いのかを考える参考、反面教師にしていただければと思います。いずれにせよ、働くということは、多かれ少なかれ学んでいくことです。

できれば楽しみながら、理想の姿を思い描きながら学んでいけると良いですね。

 

最後に伝えたいこと。


Webデザイナーとして働くことは「簡単」とか「ラク」とか「働きやすい」と謳われていますが果たしてどうなんでしょうか。自分の好きなデザインではなく、お客様のこと、お客様の目的を考えてデザインすることは、ものすごく大変で奥が深く、実際なってみたら「そんなに簡単じゃない!」と感じています。ましてや現在はインスタやX(旧Twitter)、LINEなど様々なSNSが企業のPRを担うような時代。更には、頑張ればノーコードツールで自分でHPを作れちゃう。お金をかけてまでHPを持ちたいとは思わない、という人が増えてきているのではないかと思います。

では、自分たちの制作するサイトにどう付加価値を見出してもらい、依頼してもらうか。そうでなければ、搾取され続け、業界全体の価格破壊につながってしまいます。そのことを考え続け、結果と向き合う必要があるので、現在は決して楽な業界ではないと思います。弊社でも、よくこの現状について話し合っています。

現在のWeb制作、Webデザイン業界は、純粋なデザイン畑出身の同業の方々から見れば、違う畑からジョブチェンジしたWebデザイナーに畑を荒らされている感覚があるのではないかと思います。私自身、どちらかと言えば荒らす側だと思うので、負い目に感じることもあります。きちんと勉強してきた方と肩を並べられるように、畑を荒らすのではなく、綺麗に耕して、業界全体の成長につなげていける仲間・同志になれるよう、これからも努力を怠らず、学び続けていきたいと思います。

 

 

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