- 2025.10.27
- Web技術
- GIVデザインチーム
サイト全体の雰囲気を決める配色の考え方|目的別パレットと3色設計のコツ
Webデザインで最初に“印象”を決めるのは色(配色)。
同じレイアウトでも配色次第で「信頼できそう」「楽しそう」「洗練されている」といった感情は大きく変わります。つまり、カラー設計はユーザーの感情と行動(クリック・お問い合わせ)を左右する重要要素です。
この記事では、3色設計(ベース/メイン/アクセント)の基本と、目的別のカラーパレット、さらに失敗しない色選びのコツをまとめます。新規サイトはもちろん、リニューアル時の配色見直しにもどうぞ。
まずは「3色設計」を意識しよう(配色の基本)
1) ベースカラー(背景・余白)約70%
白/グレー/ベージュなど主張しすぎない色。
サイトの“空気感”をつくり、可読性と清潔感を担保します。
2) メインカラー(ブランドの核)約20〜30%
ロゴやブランドイメージと合う中心色。
信頼・元気・上品などの印象を決定づけます。
3) アクセントカラー(行動促進)約5〜10%
ボタン・リンク・重要メッセージの“差し色”。
補色や高コントラストを選ぶと視線誘導とCV(クリック・送信)に効きます。
ポイント:まずは3色で設計 → 必要に応じて同系トーンを追加。色数が増えるほど“雑味”が出やすいよ。
目的別・配色アイデア(即使えるパレット例つき)
A. 信頼感・落ち着き(コーポレート/士業/医療)
- ネイビー
#123A63/クールグレー#E6E9EE/アクセント:ブルー#2B7DE9 - ねらい:知的・誠実・清潔。B2Bや採用にも効果的。
B. 明るく親しみやすい(教育/地域/採用)
- ソフトオレンジ
#FFA552/クリーム#FFF4D6/アクセント:ターコイズ#23C4C8 - ねらい:フレンドリー・活気。人柄訴求やコミュニティに◎。
C. やさしさ・安心感(医療/介護/保育/美容)
- ピンクベージュ
#EFCFD4/オフホワイト#FAFAF8/アクセント:グレージュ#B9B1A8 - ねらい:柔らかさ・親和性。緊張を和らげたい業種に。
使い方:メイン=見出し・強調ブロック/アクセント=CTAボタン・リンク。
迷ったら、ボタンはメインの補色系にして視認性を上げよう。
色選びのコツ(失敗しない3原則)
1) ロゴ・写真“既存の主役色”を基準に
まずはすでに露出が多いロゴやKVの色からメインを決定。
同系色(アナログ配色)で固めると統一感が出ます。
2) トーン(明度・彩度)をそろえる
淡い色+濃い色を無秩序に混ぜるとちぐはぐに。
- 落ち着き=低彩度×やや暗め
- 若々しさ=高彩度×明るめ
同じトーン帯でまとめると洗練されます。
3) テキスト・ボタンのコントラストを確保
可読性は正義。
- 明るい背景 × 濃い文字(黒・濃グレー)
- 濃い背景 × 明るい文字(白・淡色)
CTAは背景とはっきり差をつけ、ホバー時に明度差をつけるとクリックが増えます。
目安:本文は濃グレー
#222〜#333が読みやすく、真っ黒より目の疲れが少なめ。
よくあるつまずきと対処
- 色を使いすぎて雑多:3色に戻して要素ごとに役割を再割当て。
- リンクが埋もれる:アクセントを補色/高コントラストに変更、下線や太字を併用。
- ブランド感が弱い:メインカラーの出現率を見出し・罫線・アイコンに広げて“面積”で印象付け。
- 写真とぶつかる:写真のトーンに合わせて上に載せるテキスト色を調整/写真に軽くオーバーレイをかける。
迷ったらこの順で決めよう(実務フロー)
- ロゴ色 → メインカラー決定
- 背景の明度を決める(白系か色背景か)
- アクセントを補色・高コントラストから選定
- **ボタン/リンクの状態(通常・ホバー・無効)**を色で定義
- 見出し・見出し下テキスト・本文の色規格をトークン化(SCSS変数やCSSカスタムプロパティ)
デザインシステム化(色トークン例)
--color-base:#FAFAFA; --color-text:#222; --color-brand:#2B7DE9; --color-accent:#F25C54; --color-border:#E5E7EB;
まとめ|配色は“ブランドの声”
- **3色設計(ベース/メイン/アクセント)**で骨格を作る
- 目的別パレットで“感じてほしい印象”を先に決める
- トーン統一×コントラスト確保で可読性とCVを両立
色は、言葉を使わずに想いを届けるブランドの声。
次の配色検討では、「好きな色」ではなく届けたい感情から逆算して、色の力を味方につけよう。