• 2025.07.01
  • Webデザイン
  • GIVデザインチーム

見た目だけじゃない!ヒアリングからデザインまで、Web制作にかかる“考える仕事”のリアル

こんにちは、Webデザイナーの渡辺です。

Web制作って「デザインするだけ」だと思っていませんか?私もWEBデザイナーになる前はそう思っていました。実はその前に、ヒアリングをはじめとした「考える作業」がたくさんあります。情報設計やワイヤーフレーム作成という重要な段階を経て、ようやくデザインや実装へと進むのです。

「ヒアリングでは具体的に何を聞くの?」

「ワイヤーフレームってどうやって作るの?」

「なんでデザインにこんなに時間や費用がかかるの?」

と疑問に思う方も多いでしょう。

今回は、ヒアリングから情報設計、ワイヤーフレーム、そしてデザイン制作までの流れをわかりやすく解説しながら、なぜそれぞれの工程で費用が発生するのか、その理由も含めてご紹介します。

1.ヒアリングで目的と本質を深掘り

Web制作のスタートとなるヒアリングは、クライアントの要望をただ聞くだけではありません。

実はここで「伝えたいことの本質」や「解決すべき課題」を深掘りしないと、後の設計やデザインで大きなズレが生まれてしまいます。

私自身も、ヒアリング不足で何度か大幅な修正を経験し、納期が押してクライアントにもご迷惑をおかけしたことがあります。たとえば、「会社の情報を載せたい」という依頼をいただいたことがありました。最初は単純な会社案内のサイトを想定していたのですが、じっくりお話を伺ううちに、「信頼感を高めたい」「安心感を与えたい」という本質的な目的が見えてきました。そのおかげで、情報の伝え方やデザインのトーンが大きく変わり、結果的にユーザーからの反響も良かった経験があります。

このように、ヒアリングは「ただの聞き取り」ではなく、その後の設計やデザインの成功を左右する非常に重要なフェーズなのです。

この段階で押さえたいポイントは以下の通りです。

・目的を明確にすること
売上アップやブランド価値の向上、問い合わせ獲得など、目指すゴールをはっきりさせることで、伝える内容や優先順位がクリアになります。

・ターゲットを具体化すること
どんな人に届けたいかを具体的にイメージすることで、コンテンツもデザインも統一感が生まれ、メッセージがより響きます。

・競合や市場の状況把握
競合との差別化ポイントや市場のトレンドを理解することで、改善すべき部分や強化すべきポイントが明確になります。

・クライアントの強みやこだわりの引き出し
企業やサービスの本質を理解し、それを表現することで、サイトに説得力とオリジナリティをもたらします。

・デザインイメージの具体的な共有
好きな色やフォント、写真のスタイル、与えたい印象など細かくすり合わせることで、後の修正が減りスムーズに進みます。

このように、ヒアリングを丁寧に深掘りできれば、設計やデザインはその延長線上でスムーズに進み、クライアントにも安心していただけます。

2.ヒアリングで見えた“伝えたい本質”を形にする情報設計

ヒアリングで明確になった目的や想いを、ユーザーに「伝わる仕組み」として設計するのが情報設計です。

情報設計では、サイト内のコンテンツを洗い出し、分類し、どの情報をどの順番で見せるかを決めます。また、ユーザージャーニー(ユーザーがサイト内でたどる道筋)を設計し、スムーズに目的を達成できるよう導線を考えます。

これにより、ユーザーが迷わずに必要な情報にたどり着けるサイト構造が生まれます。例えば「信頼感を伝えたい」という目的があれば、実績紹介やお客様の声を目立つ場所に配置するといった設計を行います。

情報設計は、サイトの「中身」と「見せ方の順序」を決める非常に重要な段階です。

3.設計図を作るワイヤーフレーム作成

情報設計で決まった内容をもとに、実際のサイト構成を視覚化するのがワイヤーフレーム作成をします。

ワイヤーフレームは、色やフォントなどのデザイン要素はまだ加えず、情報の配置や各パーツの役割、ユーザーの導線を「骨組み」として示す設計図のようなものです。

別の案件で、ワイヤーフレームの段階でクライアントと何度も確認を重ね、細かな配置の変更や導線の調整を行いました。そのおかげで、デザイン制作段階での大幅な修正がほとんどなく、スムーズに制作を進められました。これにより納期も守れ、クライアントの満足度も高かったことを覚えています。

ワイヤーフレームにしっかり時間をかけることで、後のデザインや実装がスムーズになり、結果的に効果的なWebサイト制作につながるのです。

4.デザインラフで伝えたい情報をわかりやすく

ワイヤーフレームはWebサイト制作における設計の“骨組み”ですが、色やフォント、写真などの具体的なイメージは含まれていません。そのため、ワイヤーフレームだけでは伝わりづらい部分が出てきてしまいます。

そこで役立つのが「デザインラフ」です。デザインラフは、ワイヤーフレームの構成をもとに、色使いやフォントのテイスト、写真のイメージなどをざっくりと取り入れたビジュアル案です。これにより、サイト全体のトーンや雰囲気をクライアントと共有しやすくなり、完成イメージのすり合わせがスムーズに進みます。

デザインラフを早い段階で提示することで、「思っていたイメージと違う」「ここはこうしたい」といった感覚をクライアントと共有でき、大きな修正をことも多くあります。

私もこれまで、複数パターンのデザインラフを用意してクライアントと意見交換を重ねて、最初にイメージのズレを修正することで、お客様に喜んでいただけた経験が何度もありました。

このように、デザインラフはワイヤーフレームの不明瞭な部分を補い、クライアントとの認識を合わせる大切な役割を果たします。結果として、制作全体の効率アップにもつながるのです。

5.デザイン制作は「見た目」じゃなく、伝わるための高度な設計作業

デザインは「伝わる仕組み」をビジュアル化する作業です。目的やターゲット、ブランドイメージを踏まえ、色やフォント、レイアウト、写真を戦略的に選びます。UI設計やレスポンシブ対応も欠かせません。

何度もクライアントとすり合わせ、色や写真の差し替え、トーンの微調整を繰り返しながら完成度を高めていきます。ある案件で「信頼感を伝えたい」という依頼があり、社内でもイメージが分かれ修正を重ねた結果、「これが本当に伝えたいイメージだ」と言ってもらえた瞬間、デザインはただの見た目作りではなく、想いを形にして伝える仕事だと実感しました。

 また、使いやすさを考慮したUIデザインや、スマホやタブレットでも見やすいレスポンシブ対応も必須です。これらはすべて、ユーザーにとってストレスなく使いやすい体験を目指すための重要な工程です。

専門知識や技術も必要で、色彩心理学やタイポグラフィ、ブランド戦略の知識、Adobe XDやFigmaなどのツール操作スキルが求められます。

6.デザインを“動くWebサイト”に仕上げる工程

デザインが完成したら、次は「コーディング(実装)」の工程に入ります。
ここでは、見た目のデザインを実際にWeb上で動くページとして組み立てていく作業を行います。

HTMLやCSSでデザインを再現し、スマホでも快適に見られるようにレスポンシブ対応をしたり、JavaScriptでスクロールやボタンなどの動きを加えたりします。お問い合わせフォームの設置や、SEOを意識した構造の調整もこの段階で行います。

このフェーズでは、デザイン通りに見せるだけでなく、使いやすく・見やすく・壊れないように、細かな調整や確認を何度も重ねながら、丁寧に実装していきます。

表示が崩れたり、読み込みが遅かったりするだけで、ユーザーが離脱してしまうこともあります。
だからこそ、技術的な精度とユーザー視点の両方が求められる、とても大切な作業なんです。

まとめ

このように、Webサイトが完成するまでには、「ヒアリングによる目的の整理」、「情報設計・構成の整理」「ワイヤーフレームでの設計図作成」「デザインラフによる方向性の共有」「本番デザインの制作」そして、「コーディング・実装による仕上げ」といった、多くの工程と専門的な技術・考察が必要です。

ここまでの流れを見て、「思ったよりやること多いな…!」と思われたかもしれません。

でも、これが本来のWeb制作の流れです。そして、だからこそ「なぜこんなに時間がかかるのか」「なぜ費用が発生するのか」にも納得していただけると思います。

私たちデザイナーはクライアントの想いや目的をしっかり理解し、ユーザーに伝わるカタチを日々考えています。今後も対話を大切にし、丁寧な情報設計と戦略的なデザインを追求しながら、「お願いしてよかった」と感じてもらえる制作を続けていきます。

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