• 2025.08.21
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  • GIVデザインチーム

WordPress 6.9がリリース〜アップデート前に知っておきたい注意点と、私たちが実際に対応したトラブル事例〜

2025年12月2日、WordPress 6.9の正式リリースが予定されています。今回のアップデートでは、既存のフルサイト編集(FSE)機能のさらなる改善や新しいブロック機能の追加が期待されており、後のサイト運用に影響を与える重要なアップデートになる見込みです。

WordPressを日常的に使っている方の中には、「アップデート通知が来たらすぐ更新してる」という方も多いかもしれません。

でも、私たちがこれまで現場で見てきた中では、アップデート直後にサイトが崩れる・フォームが動かない・ログインできないなど、さまざまなトラブルも起きています。

今回は、WordPress 6.9の注目ポイントと合わせて実際に私たちが経験したアップデートトラブルの事例と対策をご紹介します。

WordPress 6.9で期待される改善点(2025年8月時点・開発中)

現在開発が進行中のため詳細は確定していませんが、以下のような改善が期待されています:

1. 既存FSE機能のさらなる改善

・ブロックエディターの操作性向
・テンプレート編集機能の安定化
・ブロックテーマとの互換性向上

2. パフォーマンスの強化

・サイト読み込み速度の最適化
・エディター画面のレスポンス改善
・データベースクエリの効率化

3. 開発者向けAPI改善

・ブロック開発における柔軟性の向上
・REST API機能の安定性強化
・カスタムブロック作成の簡素化

4. セキュリティ・互換性の強化

・最新PHP バージョンへの対応
・旧バージョンPHPからの移行サポート
・プラグイン・テーマとの互換性改善

注意: 上記は開発段階の情報であり、正式機能はベータ版リリース時に確定される予定です。

アップデートは「すぐやるべき」か?

答え:環境によっては慎重に検証してから。

理由は以下の通りです:
・使用中のプラグインとの互換性エラーの可能性
・テーマが新バージョンに対応していない場合のレイアウト崩れ
・Contact Form 7やECサイトプラグインなどが意図しない動作になるリスク

特に「ビジネス用途のサイト」や「カスタマイズを多用しているサイト」は、事前検証が必須です。

実際にあったアップデートトラブルと対応(実体験)

事例①:ブロックエディターでの表示崩れ

現象: ブロック配置が崩れ、段組が1カラム表示に変化
原因: テーマのCSS定義がWordPress本体の変更に対応していなかった
対応:
・一時的にstyle.cssでブロック用CSSを追加修正
・テーマ開発者のアップデート版リリース後に正式対応
・将来的なトラブル防止のため、定期的なテーマ更新を実施

事例②:Contact Form 7で送信できなくなった

現象: フォーム送信ボタンを押しても反応なし、JavaScriptエラーが発生
原因: WordPressのjQuery更新+Contact Form 7の古いバージョンが競合
対応:

・Contact Form 7を最新版に更新
・reCAPTCHAプラグインも同時に最新化
・キャッシュプラグインのJavaScript最適化を一時無効化

事例③:日本語フォントの表示が変わった

現象: 文字が細くなり、行間・余白が変化
原因: ブラウザのフォント読み込み順序が変更された影響
対応:

functions.phpにWebフォント設定を追加
・CSS内でフォントファミリーの優先順位を明確化
・日本語表示に最適化されたフォントスタックを再定義

私たちがアップデート時に必ず行うチェックリスト

チェック項目内容

テスト環境での事前検証
本番前にステージング環境でアップデート+全ページ確認

完全バックアップの取得
ファイル + データベースの完全バックアップ

使用プラグイン・テーマの対応状況確認
各開発元の公式対応発表・更新履歴を確認

キャッシュの完全クリア
サーバー・プラグイン・CDNのキャッシュを手動削除

重要機能の動作確認
お問い合わせフォーム・決済機能・予約システムなど

アップデートは”避ける”より”準備してから実行”が正解

WordPressのアップデートは、セキュリティ向上・新機能利用のために必要不可欠です。

しかし「なんとなく更新」してしまうと、気づかないうちにサイト機能に問題が発生し、問い合わせ減少や検索順位低下につながることもあります。

WordPress 6.9の正式リリースまでに、以下を準備しておくことをおすすめします:
・現在使用中のテーマ・プラグインの6.9対応状況を確認
・テスト環境でのアップデート試行
・トラブル発生時の復旧手順を整備

これらの準備をしておくだけでも、リリース時の混乱やトラブルを大幅に減らすことができますよ。

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